Memome

【とびたい】
(銀鈴檻/ハシンとカズタカ)

 ハシンが急に言い出した。
「走り高跳びがしたい」
「勝手に跳んでくれ。そうして華麗に判を押してくれ」
 書類が積まれているわけではないが、決済が必要な書類がある。しかしそれらはハシンの一存で承諾できることではないから、いまは待っている最中だ。
 つまりは暇だからこその発言だ。理解しているカズタカの反応は素っ気ない。
「平和なのは良いことだけれど、たまに困難も欲しくなる」
「それをこっちに振るな」
 後片付けに手を焼くのは、いつもカズタカになる。