プランダラ 13巻感想

【あらすじ】
 リヒトーを裏切ったペレを連れ戻すために一人敵地に残って立ち向かったリィン。三百年前の訓練により向上した戦闘技術で抗うが、ペレを連れ戻せずに負けた。(48話 玩具)

 アルシアに反逆した時風は、シュメルマン元帥によりアビスの子供たちを皆殺しにされかける。だが、ジェイル率いるゲフェングニスが助けにきたことにより、子供たちの命は助かった。
(49話 裏切り)

リヒトーたちを裏切ったはずのペレはリヒトーの本物のバロットを取り戻し、園原に託す。ペレの本当の裏切りが判明し、シュメルマンに殺されかけたペレだがリィンに助けられた。(50話 唯一人)

リィンにこれまでの経緯を説明している途中で、ペレは園原を追う閃撃を見る。強化クローンである新型撃墜王たちに追いつかれた園原は以前とは違い、自ら戦う。しかし、大勢の新型撃墜王たちによって窮地に追い込まれる。(51話 迎撃)


【感想】
 希望と絶望、興奮と平穏が乱高下する『プランダラ』十三巻。

 今回のメインは表紙のペレ軍曹とリィン曹長でした。ようやく六巻から裏切りフラグを立ててばかりのペレがきちんと裏切ってくれて、そのあとにリィンのところに戻ってきてくれて、不安だった心も落ち着きました。よかったよかった。
 ペレの人を信じられなくなる過去を塗りつぶして恋をさせたリィンは本当に強い。作中ではよくからかわれていますが、十三巻では素直で、嘘をつけなくて、自分の悲しみは抱え込んで理不尽にふるまわない。その強さがはっきりと書かれていました。
 特に印象的なのは、ホムホゥでボランティア活動を手伝ってもらいたいリィンのお願いをペレは拒否しますが、リィンはめげずに怒らずに、悲しい気持ちもあったのにそれも隠して、ペレを怒らなかったところ。
ペレはずっと、リィンが自分に対して信頼を向けてくれていたことに救われていたのでしょう。
 痛ましい展開が続きますが、そうしてあんまり早くに終わってほしくはないのですが、またリィンとペレに穏やかな日が訪れますように。

 あとは、久しぶりの登場!
 私の一番の推しキャラクターであるジェイルが出てきてくれて本当に嬉しい格好良い! 
 ジェイル率いるゲフェングニスは姿を見せてから三秒で「これは危ない」と思わせる人ばかりでしたが、アセル=リュボーヴィー少尉がとても好みでどうしよう。しかもジェイルを慕っている蜂蜜系とろとろ女子。四つくらい好みを撃ち抜かれましたね。いつかジェイルさんとのべたべたが見たいです。
 そうして最後に園原さん。自分から戦うことを選び、毅然と戦う姿がこれまでになく、格好良い。怯えがちだった頃も良い子でしたが、ジェイルさんに信念をもらって立ち上がった姿も好きです。新型撃墜王との戦闘シーンは、正確な乱れ撃ちの連発で、ページをめくる手も勝手に早くなりました。

 プランダラはもう、考察を挟む余地がないほど話が進んでいます。
 二つの人格を持っているらしいシュメルマン元帥の真実とは。リヒトーは本当の自分のバレットを手にすることができるのか。かつての撃墜王たち、さらにジェイルやリィンなどとも力を合わせて、何をすべきなのか。議会(アルシング)の正体や、どんな未来をアビスとアルシアは手にするのか。謎の女性、フィレンダさんは一体。
 意外と伏線は残っていますが、ここまできたら終わりまで見届けたい。
 大好きな作品です。毎回希望と絶望の連続で揺さぶられすぎますが!

『プランダラ』は2020年1月からアニメ化もします。楽しみです!


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