当記事はひたき様が主宰されている「個人サイトを語ろう Advent Calender 2025」に参加し、投稿したものになります。こちらの記事は九日目を担当しております。


はじめに
「個人サイトを語ろう Advent Calender 2025」に参加するにあたって、初めに自身の担当する日付を選択するのですが、私は十二月九日を選びました。長年愛するドラえもんの身長が一二九点三センチメートルですので、その数字にあやかってのことです。
ドラえもんには沢山のひみつ道具が出てきます。タケコプターにどこでもドア、そして「タイムマシン」です。当記事のテーマも「個人サイトはタイムマシン」とさせていただきまして、個人サイトは時を旅することができるという趣旨のエッセイを綴りたいと思います。
「個人サイトはタイムマシン」とは記せども、「個人サイト」と「タイムマシン」の結びつきにしっくり来ない方もいらっしゃると思います。ですので、まずは当記事におけるタイムマシンの定義をします。
タイムマシンとは「過去や未来へ時間を超えて、自由に移動できる”機械”」のことを指します。肉体を伴って移動できたら良いのですが、現実ではまだその技術は確立していません。ですので、タブレットやパーソナルコンピュータという機械の力を借りながら、個人サイトのページを閲覧し、心を過去や現在、未来に飛ばすことを当記事では「タイムマシン」とします。
個人サイト(タイムマシン)は「過去」を重ねる
個人サイトでは、作品や記事を投稿した時点ですでに全てが「過去」になります。好きな作品の展開予想や考察記事を読むことは「未来」に思いを馳せることですが、基本的にはすでに起きたことを記事にする、完成した作品を個人サイトに掲載することが個人サイトの運営というものではないでしょうか。
だけれども、過去に書かれたことを閲覧するのは「現在」です。当記事をお読みの方も、いまこの瞬間に私が「過去」に書いた記事に「現在」の時点で触れています。
当たり前ですが、とても不思議なことです。だからこそ、私は「個人サイトはタイムマシン」だと考えました。
個人サイトはSNSのように流動していくというよりも、情報が蓄積されていく面が強いです。運営者が掲載、または投稿した記事や作品がサーバーに刻まれていきます。閲覧者はインターネット上をたゆたう絵や小説、詩や漫画、音楽や動画、さらに情報など、様々な作品や記事に、いつだって出会うことができます。個人サイトで記事や作品が更新された直後、とは限りません。ある事柄に関心を持ち、調べて、ページを見つけた瞬間に初めて、数年前に更新された記事や作品にたどり着くことだってあります。
その瞬間、心は「現在」のときめきと「過去」の痕跡の両方を旅しているのです。
この時点までお読みくださった方に、冒頭で「個人サイトはタイムマシン」と記した理由を少しでも説明できていたら安心できますが、いかがでしょうか。
次からは、少し私事にも踏み込みつつ、個人サイトが「未来」を旅する方向に目を向けていきます。
個人サイト(タイムマシン)は「未来」を見つめる
個人サイトの利用方法は様々です。私は一次創作(オリジナル)の小説・絵の掲載、また日々を記録する雑記の保管を目的とした、当記事の掲載元である「不完全書庫」を主に運営しています。ですが、他にも記録用にTRPGのキャラクターや素材を掲載した個人サイトも管理しています。
上記以外にも、ポートフォリオや二次創作サイト、日記など数えきれないほどの目的を持っていまも運営されている個人サイトが沢山あることでしょう。
そして、前述しましたが、閲覧者は運営者が「過去」に投稿した記事に触れています。けれども、運営者にとって個人サイトは「未来」を向いているものだと思います。倉庫や補完のための利用であっても、更新をするのはいつだって「未来」だからです。
さて、ここで突然、私こと成瀬悠(なるせゆう)の話になります。私はいま長編小説『無音の楽団 Re:Praying』という作品を二年ほど連載しています。完成までは、短く見積もってもあと一年ほどの時間はかかるでしょうか。それでも、二年という時間とこれからの一年をかけて執筆することができているのは、個人サイトがあるためです。自分のペースで、小説だけではなく、絵や作品情報などを見せたい形でまとめられる場所が個人サイト「不完全書庫」でした。
『無音の楽団 Re:Praying』は現時点で七割ほど執筆を終えています。そこまで書き続けられているのは更新を待ってくださる閲覧者の方がいらっしゃるのと、個人サイトを更新したいという「未来」の方向を心が見つめているためです。
個人サイトがあるとはいえ、必ずしも更新をしなくてはならないわけではありません。ですが、私は小説を書くことも、絵を描くことも好きで、定期更新をすることも性に合っていました。
そのため、毎日というほどではありませんが、サイトに掲載する作品や更新の計画についてよく考えます。いますぐの更新ではありませんが、いつかサイトに作品を増やすという「未来」について心が旅をする瞬間が日常にあるのです。
おわりに
今回はサイトの閲覧者と運営者、両方の立場から「個人サイトはタイムマシン」ということを述べさせていただきました。
改めて、私にとって「個人サイトはタイムマシン」です。過去に触れて、現在を記録して、未来に思いを馳せて、いつの時間にでも跳んでいくことができます。
来年も心ときめく一年になりますように、個人サイトというタイムマシンを乗りこなしていきたいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
クリスマスまでの毎日、またそれ以外も楽しい日々をお過ごしくださるよう、お祈り申し上げます。



