ファレンコスプレデー

十月三十日に昼間の食堂で後輩の影生から言われる。
「貴海さん。今日、機嫌いいですね」
「そうだろうか」
 特別に浮き立っている自覚はないのだが、外から見るといくらか頬が緩んでいるようだ。試しにつついてしまうがあまり違いを感じられなかった。
「普段たまに話しかけづらいくらいに真面目なんすから。それくらい気を抜いていたほうがいいですって絶対」
 言いながら、目の前で影生が食べているのはかぼちゃプリンだ。冷たい橙色のかたまりを捉えて、貴海の目がまたあたたかなものになる。
 今日は十月三十日だ。瞬くあいだに去り行く月日を惜しむ気持ちはある。だが、穏やかな日常にスパイスを利かせる楽しみが明日は待っている。
 貴海の視線がかぼちゃプリンに注がれているのに気付き、影生は言う。
「そういや明日ですか」
「ああ。明日だ」
「ハロウィン」
「ファレンコスプレデー」
「「……うん?」」
 通じるはずの言葉がすれ違った瞬間だった。
 影生は食べ終えたプリンの容器をトレイに乗せた。貴海は昼食にしたきつねうどんの椀を下げるために立ちあがる。二人は並んで食器を返却し、事務室へ向かいながら話をする。
「ファレンさんって奥さんのことっすよね」
「ああ」
 貴海の背景に花が咲いた。休憩中ではあるが、仕事をしているあいだでもファレンを思いだすだけで疲労が薄まる。
 影生は貴海の自己回復の方法に慣れているので気にしない。気になっているのは口にされた言葉だった。
「奥さん、コスプレするのが趣味なんすか?」
「多分違う」
 目新しい服にはよく興味を持ち、大抵の服も着こなしてみせるが、積極的に服を買い集めたり作ったりまではしない。
 ファレンの服に気を遣っているのは貴海だ。理由を聞かれたならば、単純に「眺めていて楽しいから」となる。
 そして、十月三十一日は普段よりもいろいろな服を着て遊ぶ。以前に友人からその日だけはわりと仮装ではっちゃける輩が多いと聞いたためだ。
 そこまで話をすると、事務室の前に着いた。扉に手をかけて立ち止まる。
「つまり、明日はハロウィンでみんな仮装をするから。貴海さんもファレンさんにお願いをしていろいろとコスプレをしてもらうと」
「ああ。ファレンはいつも可愛いが、普段しない服装だとさらに可愛い」
 思わずこぶしを握って力説してしまう。写真にするには恥ずかしいが、もし自分に画力があれば素描してこだわりを事細かに説明したいくらいに愛らしいのがファレンのコスプレだ。
「奥さん。優しいっすね」
「うん。優しい」
「そりゃ結構。で、肝心の旦那さんである貴海さんは何をしてあげてるんすか?」
「え」
 影生は答えを聞く前に扉を開けて事務室に戻っていった。
 ぱたん、と貴海を招かなかった扉が閉まる。
「俺が、ファレンにしてあげていること」
 しばらく貴海は扉の前に立ちつくしていたが、入りたいと女性に言われて場所を譲る。そのまま本来の仕事場である観測室へ向かっていった。
 俺がファレンにしてあげていること。考えると難しかった。

 貴海はそのまま何事もなく仕事をし、退勤時間になると職場である観測室の後片付けを終わらせて、買い物をすませる。
ファレンが待つ家へ帰宅した。玄関を引くが、がちゃんと音が立つ。鍵がかかっていた。
最愛の女性はまだ帰っていないらしく、貴海は家から徒歩三分の商店街に向かう。この時間に家にいないのならば、まだ買い物をしている頃だろう。
 四角い商店街の入り口をくぐったところで、ファレンはすぐに見つかった。小さなかぼちゃを抱えて魚屋の店主と話をしている。
「ファレン!」
「貴海。今日は早いんだな」
 薄紅の柔らかな髪を揺らしながらにっこりと笑い、手のひら二つくらいの小さなかぼちゃを見せてきた。かぼちゃは三か所くりぬかれていて顔ができている。
「おまけでもらったんだ。中に蝋燭を入れるといいとも聞いた。明日は、ハロウィンだからって」
「そうか。良かったな」
 かぼちゃをかわいがるファレンもまた、明日はハロウィンだと認識しているようだ。いまさらながら自分の誤解が恥ずかしくなる。
 貴海だって、十月三十一日がハロウィンだということを知らないわけではなかったが、ファレンがいろいろな服を来てくれるのを楽しんでくれているはずだから、すっかり勘違いしていた。
 苦笑しながら見守っていた魚屋の店主だったが、魚の切り身を勧められたものだから、今日のおかずにと一人分購入する。
 貴海はファレンから荷物の入ったエコバッグを受け取り、家に向かって歩いていくが、かぼちゃは譲ってもらえなかった。楽しげにかぼちゃを抱えてファレンは寄り添ってくる。
 中層住宅の三階左端にある扉の鍵を開けて、ようやく帰宅となった。
 先に入り、くるりと一回転してからファレンは言う。
「貴海、おかえりなさい」
 毎日欠かさず言葉にするが、二人ともそれに飽きることもぞんざいにしたいと思ったこともない。
 こういったことが嬉しいんだ。
 当たり前で些細なことだからずっと言っていたい。
「ただいま、ファレン」
 笑いあってから貴海はエコバッグの中身を冷蔵庫にしまいに行く。そのあいだにファレンはかぼちゃを食事用のテーブルの上に飾っていた。
「そういえば、今日は大変なことを聞いたんだ」
「なんだ?」
「明日は君がコスプレをする日じゃないらしい。ハロウィンというんだとさ」
「それは当たり前だろう。お前もするのだから」
 とんとんとん、と流れていた会話だがファレンの一言に手が止まった。持っていたのが魚の切り身だったので、冷蔵庫にしまいなおす。
 空になったエコバッグを畳み、持ち主であるファレンに返しながら首を横に振った。
「俺はいい。君が着るのと違って楽しくないだろう」
「なにを言う。俺はとても楽しいぞ」
「そうなのか」
 ファレンが楽しんでくれるなら仮装をするのも悪くない。影生にも、自分がしてあげられていることはあるのかと昼に考え直されたところだ。
何を着ても花の引き立て役にしかならないが、隣に立つことができるだけでその花が一層咲き誇るのならばやる価値は十二分にある。
「わかった。明日は一緒に仮装しよう」
「それでこそ貴海だ!」
「ただ俺は君の服しか準備していないが」
 貴海の発言を聞いて金色に緑の瞳孔が走る瞳が、きらりと光る。獲物を見つけた猫さながらの素早さだ。
「俺が明日に備えて何もしていないと思っていたのか?」
 これはとんでもないコスプレをすることになる。貴海は覚悟した。
ファレンのセンスはよいのだが、たまにセンスを活用する範囲を間違える弱点がある。夏祭りの時に目を輝かせられた、イノリオオカミというぬいぐるみの、奇抜な愛らしさなど良い例だ。
「ま、とりあえず。食事にしよう」
 鋭利な光を収めてくるりと回る。
台所へと消える背中を見ながら貴海は手にぬめりを覚えた。気付かないあいだに汗をかいていた。それほど、本気の目をしていたのだ。
食事の前に手を洗うために洗面所へ向かう。冷たくなってきた水であえて手を清めていくが、考えてしまうのはファレンばかりだ。普段は貴海が甘ったれているばかりだが、ファレンだって貴海に押し付けたい願望などがある。
 嘘も正直もなく、嬉しかった。注がれる愛情に重いなどといった文句は出てこない。絶えることなく供給される糖蜜の情を一片たりとも残さず飲みつくしてしまいたい。
 貴海がダイニングに戻るとすでに食事の準備は終わっていた。
 テーブルに向かい合わせで座る。
 貴海の前には、温めた白米にすまし汁、おかずはかぼちゃの煮物と魚の切り身が盛られていた。適当に椀や皿に盛りつけたのではない丁寧さに感心し、手間をかけてくれたことに感謝する。
「いただきます」
「はいどうぞ」
 ファレンは料理よりも会話といった交流を食べるようにできているので、たまに話をしつつ、静かに交わされる言葉を噛み締めている。
 貴海に今日の出来事を聞きつつ、自分の身に起きたことや面白い偶然なども話していく。
共に過ごせない時間が貴重だと何度も気付かされるのはいまや休日に寄り添いあう時だ。いつだって一緒にいたいけれど、それだけが全ての関係ではない。個々としてありながら触れ合える。
 一通り話を終えると、また明日について話が戻る。
「そもそもハロウィンはコスプレのためにあるものではないんだぞ」
「はい。わかりました。文化の変遷とは恐ろしいものなんだな」
 簡単な説明を聞き終えた後にこちらもざっくりとした返事をする。国や時を超えて変わっていくのは物語の特性で、自分だって似たようなものだ。
 貴海という存在には原典がある。自分はそれをサルベージされたプロトタイプでしかない。ファレンも同様だ。
 切り身に箸を伸ばしたときに言われる。
「俺は文化の変遷以上にお前が用意する、俺に着せたいコスプレコレクションのほうに恐怖を覚えるが」
「仕方ないだろう。明日の君は明日しかいないから」
「出たな、天然シリアス発言」
 最後の切り身を咀嚼し終えてから貴海は頭を下げる。
「それで明日はいろいろと着てくれますか」
下げられたファレンは腕を組むと傲然と笑った。
「着てやるとも」
「ははー」
「だから、貴海もな?」
 楽し気な金の瞳に大変なことになる予感は積み重なっていくが、まあなんとかなるだろう。
 箸を置いて、手を合わせる。
今日の夕食も美味だった。素直に感想を伝えると「どういたしまして」と誇られた。

 十月三十一日の朝が来た。
 鳴り出した時計の頭を叩いてベルを止める。隣で眠っていたファレンも起き上がり、体を伸ばしていた。しなやかに伸びる肢体と首筋から腹にかけて、さらに波立つ服の皺に色気というよりも上品な艶を覚えた。欲情するとまではいかないが、抱き寄せて唇を重ねる。離れる時に軽く舌を舐められた。間近にある顔は笑っていてさらに悪戯を返したくなるが、今日は十月三十一日だ。
 ファレンコスプレデーならぬハロウィンだ。
 貴海は先にベッドを下りた。軽く体をほぐしてから、自室に向かう。ファレンも同様に隣にある自室の中に入っていった。
 就寝用の服からジャージへ服を替える。次にクローゼットに向かって、ファレンに恐れられたコスプレ衣装をいくつか取り出した。一抱えして、カーテンを開けた。
 空は夏に比べてとうに高くなり、切れ切れの雲がゆとりのある青に広がっている。服によっては外に出て歩くのもよいだろう。焼かれた栗など食べてみたい。
「貴海。準備できたか?」
「いま行く」
 皺にならないように抱えた服を持って部屋を出た。その量を見たファレンに苦笑されるが、ファレンも手に紙袋を提げているの指摘すると「俺はこれでも二着だもの」と言い返される。
「じゃ、やりますか」
「ああ!」
 普段は来客用に使っている部屋のカーテンを閉めたまま照明をつける。暖かみのある橙色にしながら、貴海は一番上の服を広げた。
「これは灰色のクラッシュドレスか?」
「おまけもついている」
 一抱えにしていた服の中にくるんでいた袋を取り出した。さらにそこから、縫い目のある猫耳カチューシャを見せる。
 それを見たファレンはわざと大仰に驚き、口に手を当てながらうめく。
「そんな趣味まであったとは」
「残念だったな。君が愛してくれている男は、好きな人のためならわりとえげつない手段も平気でとる男だったんだよ」
「うん。知ってるから別にいいけどな。じゃあ着替えるぞ」
 一式を受け取って、ワンピースを一気に肩から落とす。貴海は途中で後ろを向いた。服が重なることによりこすれる乾いた音と、ファスナーが下ろされたり上げられる音が聞こえてくる。見えないで音だけが届いてくるというのはそれなりに背徳的だった。
 ぱさり、と最後に広がったものが落とされる音がする。
「着替えたぞ」
 貴海はファレンに向き合う。猫耳カチューシャだけを手にしながら、ファレンはどうだと胸を張る。
 薄紅色の髪と白い肌に合うようにした、光沢よりも濡れた美しさのある、あえて破かれた白いドレス。肩まで露出されていて腕には二の腕まで覆う白手袋をつけている。胸には紫の薔薇のコサージュがつけられていて、下はフレアになっていて膝を隠す程度に長い。靴はショートブーツだ。
 汚れ一つない潔癖のドレスだというのに幾重にも破かれている様が迫力ある美となっている。
 貴海は自身のセンスに満足しながら、猫耳カチューシャを受け取って、そっと頭に差し込んだ。
「これで俺は何のコスプレをしていることになるんだ? わりと普通ではないけれど、ドレスだが」
「ファレンニャンシュタイン」
 舌を噛まずに言い切るだけで首を傾げられた。改めて説明をする。
「ハロウィンのコスプレのネタで、フランケンシュタインというのがあるだろう。あれを俺がアレンジして、ファレンニャンシュタイン」
「お前の天然斜め上発想は本当にすごいと思う」
「照れるな」
 呆れか褒められているのかは分からない言葉には動揺も恥ずかしさも見せはしない。
ただ、自分の選んだ服を着てくれている。さらにそれが似合っていることに満足を覚える。
ファレンは白やもしくは淡く色のついた服がよく似合うと、いまの格好を見て確信した。だが、たまには黒や紺といった闇の格好をさせるのも有りだ。候補はまだ眠っている。
 貴海はしばらくファレンを上から始まり下から横からと眺めていた。
「次にいっていいか」
「ああ。なんでも着こなしてやろう」
「それは楽しみだ」
 普段はあまり浮かぶことのない笑みが勝手に浮かぶ。偽りなく心が弾んでいた。
 貴海は次に和風に変化が施された真っ赤な衣装を取り出す。ファレンはドレスを脱いでいくが、途中で言った。
「わざわざ後ろを向かなくていい、俺の裸も見慣れているだろうに。こんな状況ではロマンすらないだろうから、着るのを手伝ってくれ」
「わかった」
 今日のファレンの下着の色や形は凛々しい乙女のものだったとだけ覚えておく。
貴海は途中までファレンが着替えたあと、リボンを結ぶことや帯状のベルトを締めるなどして、二着目の仮装を整えていく。傍から見ている人がいるならば、大人が人形遊びをしている。そう失笑される光景だ。
 当然、ファレンは人形ではないが、行為に甘えて自分は遊びに耽ってしまっている。倒錯した考えが頭をよぎった。
まだファレンも一緒に楽しんでくれているのなら良い。だが実際はそうではなく、貴海の欲望を受け止めているだけならば、いましている行為は最低の恥知らずでしかなくなる。
 考えながらも、王に冠を被せる敬虔さを持って髪を結わき終えた。
 普段のファレンならば選ばない、禍々しさを纏っている姿に、息を呑む。
髪型は普段は横に小さく編んでいる三つ編みだけではなく、ワンテールが黒のレースに巻かれて垂れていた。化粧などしていないはずだというのに、金の瞳は鋭さを増しているが全体の雰囲気はけだるげで、退廃した国に孤独のまま住む魔女だ。血が乾いた後の赤さで全身を染めているのは高揚なのか罰の意識なのかつかめない。
貴海は知らず、喉を乾かしていた。
「これは、魔女か? それとも小悪魔か?」
「多分、魔女だ」
「お前が選んだというのに多分とはなんだ」
 ファレンは面白がる。着物であればたもとといえる余裕がついた裾をひらひらと回す姿は、今度は妖しい蝶に変わる。猫に見つかっても、いたぶられることなく余裕を持って逃げていく。からかう蝶だ。
「……着替えよう」
 貴海が言ったあと、ファレンは様々な変化を遂げた。貞淑な聖女から爛漫な悪戯猫まで、ファレンという存在が不明瞭になるほど服によって己を変えていった。
 それなのに声をかけて話をすると、いつもの光を失わないファレンでいるから、余計に困惑する。
今日は貴海がファレンへ頼んで望みの衣装を着てもらっているのではなくなっていた。ファレンが貴海の些細な欲望を掌で慈しんでいるだけだった。
 疲弊した貴海は最後の一着を選ぶ。
「もう終わりか。なら俺も、これを着てもらうぞ」
 紙袋を渡された。出ていこうとするが、「ここで着替えればいいだろう」と止められる。
 貴海はファレンに着替えをする最中を見せたくなかったので、背中合わせになるのだけは譲らなかった。
 着替える。振り向く。
 ファレンは同じ白だが最初に着た破れたドレスのようなものではなく、公道を歩ける程度の華やかさに収まった薄緑のワンピースに身を包み、貴海は普通の服だった。白いシャツに、灰色の細いパンツといった組み合わせだ。
 ファレンはカーテンを開ける。青はすでに色を濃くして広がっていて、堂々と照らしてくる太陽の光が目に眩しい。
「さ、出かけるぞ」
「いいのか? その格好で」
「貴海はこれを俺に着てほしかったんだろう? 多少目立つだろうが、まあいいさ。俺は白い服を着る貴海を見ることができたからな!」
 言われた通り、貴海は普段から黒や紺といった服を好んでいる。明るい色は少し気恥ずかしいが、ファレンも同じならまあいいだろう。
「わかった。ただ、少し待ってくれ」
 貴海は自室に戻って、昨日の仕事帰りに購入した贈り物を手にする。
 クローゼットに服をしまっていたファレンが、扉の開く音で手を止めた。その傍らに貴海は立つと、服を抱えているが空いている手に贈り物を包み込ませた。
「ファレン。いつも俺のわがままに付き合ってくれて、ありがとう」
 小さな橙の花を象った宝石が照明を浴びて光の角度を変えていく。ファレンは手の中でささやかに咲く花を見つめていた。
「服を貸してくれ」
「あ、うん」
 貴海はファレンから服を受け取り、クローゼットに収納し終えた。ファレンはまだ花の宝石を眺めている。
「これ、どうしたらいいんだ」
「好きなところに付けてくれたら嬉しい」
 ピアスではないが、小物として服などに刺せるようになっているのを伝えると、ファレンはワンピースに橙の花を咲かせた。
 うかがうようにはにかんでいるファレンを抱きしめる。貴海も背中に腕を回された。
 淡い温もりを感じながら、来年はもうコスプレなんてことをしなくてもいいな、とようやく思えるようになった。
 腕の中にいる人を特別に可愛くするのも幸せだけれど、ただ傍にいてくれる。いるのを受け容れてもらえる。見過ごしていた幸せがいまここにある。
 自分たちの速度に合わせて日常を過ごしていけるという感謝すべきことに気付かなかったのは、やっぱり情けないところだ。だけどファレンはそこを指摘もせず、怒りもせず、自分だけでもと日常を大切にしてくれていた。
 これからは同じ幸せをファレンと分かち合っていきたい。
 貴海は願った。


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