成瀬の物置き 2024/June

何かしらの破片を積み上げていきます。
いつか一つの大きな“何か”になることを祈って。


目次

小説(文字事)みたいなもの

2024年6月1日(土曜日)

無音の楽団 Re:Praying
(タトエとサレトナ)

 空板の宿り木というものにメッセージの秘匿機能はない。特定の誰かに宛てたくとも、宿り木に登録している全員が送られたメッセージを共有することになる。
サレトナ【それでも宿り木を使う人は多いのね】
タトエ【こうして遠距離でもやり取りができるからじゃないかな】
サレトナ【手紙よりも早く?】
タトエ【うん。まあ、僕は手紙の方が好きだけど】
サレトナ【私も】

 などと、カクヤはなんとなく宿り木の確認をする時に、サレトナとタトエがよくメッセージを交わしているのを見ることになる。
「ま、いいけどな」


2024年6月14日(金曜日)

銀鈴檻
(ハシンとアルトー)

 ハシンがなんだかむつかしい顔をしている。
「どうしたんだ」
 アルトーが尋ねると、ハシンは答えた。
「カレーが食べたいんだけれど、そうなると何辛でいくのかが問題なんだ」
「それは確かに、むつかしい」
 銀鈴檻の味の好みは多種多様だ。リンカーあたりは辛口を選ぶだろうし、リブラスはおそらく甘口になる。ネイションの好みは謎で、カズタカはなんでも食べるが我慢している。
「買って、かえる?」
「それが平和だね」
 そうしてアルトーはハシンと一緒にカレーを買うために並んだ。鳥にほうれん草にキーマなど、これで文句を言うのならば食べなくてよい。


イラストみたいなもの

2024年6月7日(金曜日)

テクスチャも作れるようになり始めました!


2024年6月12日(水曜日)

ドット風味にしたかったけれど、まだ柔らかい。うーむ。難しいです。


2024年6月19日(水曜日)

「アナログ風主線ペン」のみでの楽書きです。
こういうのも、楽しい。


感想みたいなもの

2024年6月8日(土曜日)

 とても昔から『ミッドナイトレストラン 7to7』という四コマ作品を読んできています。
 随分の長期連載なのですが、次巻で終了とのことでとっても哀しい。時流を追って描かれていた作品ですので、当時を感じられて何巻を読み返しても思い出深いです。
 昔の当たり前は、今の当然ではない。そういったことを改めて感じながら、来年の最終巻を寂しく待つのです。


2024年6月28日(金曜日) ネタバレ注意!

 『三体』を文庫化まで待ち望み、つい最近になって読み終わりました。
 人の歴史はアダムとイヴから始まり、そしてまた閉じられる。
 「黒暗森林」の頃から宇宙の絶望を突き付けられてきましたが、人の外敵は宇宙に数多く存在しているだけではなく、人もまた容易に人間を潰せる。
 それでも、『三体』を含めてSFというジャンルには「愛」があるなあと感じました。無差別の破壊に生き延びるのに必要なのは、「他人に敬意を抱き、尊重すること」なのではないかとすら。
 甘い理想であるために、慈愛の重要さも語り続ける。
 『三体』という作品にも恐れ入りました。
 最近はまた、じっくりと感想を書きたい気分にもなっています。一冊の本の。


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