何かしらの破片を積み上げていきます。
いつか一つの大きな“何か”になることを祈って。
小説(文字事)みたいなもの
2024年5月3日(金曜日)
【継続の大切さ】
(銀鈴檻/カズタカとリブラス)
勢いだけで生きているように見える奴もいるものだ。
カズタカは住居の庭にて、杖を水平に構えているリブラスを眺めている。木に寄りかかり、腕を組みながらも視線はそらさない。
すう。リブラスが深く細く息を吸う。
「僕は呼び出し君はなく極楽鳥が飛び貫いては紺空を裂いて現れざるは天階の入り口に立つものよ其のために失われたのは星の間を賭ける狐の尾がなが」
これは詠唱ではない。ただの発声訓練だ。
聴いたものによっては「嘘だろ」と笑いだすほどに、気の遠くなる一繋の魔術に関するだけの。
2024年5月15日(月曜日)
【生きることは】
(千晶推参/公約)
僕たちは幸せなのだという。
飢餓という境界線の三歩手前に立つだけで済んでいるというから。
でも、それは幸せの使い方を間違えているとも、僕は考えてしまう。
やりたいことがないわけではない。
だけれど、できるわけでもない。いつだって多少の諦念は必要となる。
それでも、僕たちは幸せなのだろうか。
2024年5月23日(木曜日)
【生き返ってと願うのは】
(銀鈴檻/ネイションとリンカー)
ある日、リンカーに不意に問われた。
不意ではないのならば性格が悪いと思わざるをえないほどに、唐突でありながらも自然な問いかけだった。
「ネイションには生き返ってもらいたいと願う人はいますか」
「残念ながらいないわね」
勘違いされないために釘を刺しておく。
「一度眠ったのならば、平穏だけが私の望むものよ」
2024年5月30日(木曜日)
ネイションが尋ねてきた。
「ハシンは歌は好き?」
「人並みには」
「ハシンが人並みには、というとハシンが人じゃないみたいだな」
ぼそりと呟いたカズタカにトレイを放り投げる。角が見事に後頭部に衝突した。
いつものことと慣れたネイションではあるのだが、カズタカの頭の様子を見始めた。
心優しいことだ。
どうせ、硬い石頭なのだから怪我も何もないだろうに。
「で、いきなりどうしたの」
「近所の人が絶叫大会を開催するから、参加しないかって」
「アルトーにさせればいいじゃないか」
それは見事なハウリングを聞かせてくれるだろう。
イラストみたいなもの
何かに使えそうな背景? シリーズです。
感想みたいなもの
その他
2024年5月21日(火曜日)
【表現の暴力】
表現の自由と表現による暴力は繋がっている。
などと、ふと思った。
『A』を表現しただけでも、『A』を好む人にとって喜ばしい場合と憎らしくなる場合がある。たとえ、好意で表現したとしても。