Nを読む 2023/08/26

 最近は自分の好きだった本を引っ張り出しては読み直して、原点を模索しています。
 昔の鋭さを取り戻したい成瀬です。


【拍手お礼】
 8月23日 午後11時

 ぽちぽち拍手を押してくださり、ありがとうございます!
 
今日の更新も頑張ります。

【N】
 成瀬の「N」ではありません。
 道尾秀介先生の書かれた短編集の題名です。
 こちらの本は六本の短編小説からなり、どこからでも読めて自分だけの読後感を味わおうという趣旨の一冊でしたが。
 全体として、曇天の空の重さと哀しさがいつも垣間見られます。場合によっては、率直に残酷な物語が紡がれます。
 六篇全ての話にどこかしら死が必ずまとわりついていて、私が選んだ順番は特に気が重くなる終わりで〆られました。
 母と死別する少女に希望を与えた後に、それでも少女すら亡くなるという突き落とされ方で読んでしまったのですから。
 ペット探しをする男性の相棒が亡くなる話も辛かったですが、一番はその少女の短く断絶させられた終わりが堪えました。
 過去が幸せであればあるほど、現在の不幸は心を切り刻む。

 道尾先生の本を読むのは初めてでしたが、希望も無力も人は抱えていてそれを書くことができるのだと思い知らされました。
 人の哀しみとやるせなさに目を向け続けられる強靭さ、というものが作家さんにはあるのでしょうね。
 しかし、私にそれはあるのだろうか。まだ、残されているのだろうか。苦痛に耐えられるのだろうか。
 書きかけのプロットに目をやりつつ。自分の書きたい物語にもそれは必要なのだろうと、ぼんやり実感します。
 楽しいだけの物語はセルフ二次創作で。
 長編にはやっぱり、哀しみを。可能ならばその悲哀を乗り越えられる強さを。


【ソレシカさんの理解】
 長らくソレシカさんがどういう方か謎だったのですが、いま少しずつ彼の物語を紡げるように取材したり密着したりしています。
 以前にも書きましたが、ソレシカさんは人としての感情が薄いのですよ。かといってクールというわけでもないので難しい。
 過去に何があったのかを調べてみるのですが、分厚いカーテンの下に隠されていて探すのも一手間です。
 それでも、タトエ君に関すること以外も知りたいです。
 ソレシカさんの。



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