何かしらの破片を積み上げていきます。
いつか一つの大きな“何か”になることを祈って。
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小説(文字事)みたいなもの
2026年5月1日(金曜日)
無音の楽団 Re:Praying(ロリカとルーレス)
ふと、ルーレスは気付いた。
「命晶さんも今月が誕生日なんだ」
「うむ。露見したか」
「別に隠すようなことでもないんじゃないかな」
まるで知られてはならないことが見つかってしまったようなロリカの態度に苦笑してしまう。ロリカはいつもの通り感情の読めない表情のまま、教室の掃除を進めていた。
「今月が誕生日だというのならば、一学年のタトエさんの方が重要だろう。カクヤも祝うために色々と張り切っているのではないか?」
「どうかなあ。ロストウェルスさんの誕生日は祝い損ねたとしょんぼりしていたけれども」
とはいえ、サレトナの誕生日はセイジュリオの入学式が始まった直後のことだ。フィリッシュのように幼い頃から知っていなくては、祝うことは難しいだろう。
「まあ、よくある台詞になるが、何もない日など存在しない。全ての日が誰かにとっての特別で、些細な日だ。私の誕生日もそういうものだろう」
「それはそうだけれど」
「だったらなんだ。ルーレスはなにか、私に特別なことをしてくれるというのか?」
一瞬だけ黙り込む。ロリカに特別なことをする。
「なんだかそれは、とても難しそうだね」
ロリカが喜ぶ特別なことなど、想像がつかないのだ。
もう、五月は始まっている。
五月四日がロリカさんの誕生日なのです。現実ですとこちらもサレトナちゃんと同様にお祝いが難しい方。





