成瀬の物置き/February

何かしらの破片を積み上げていきます。
いつか一つの大きな“何か”になることを祈って。


目次

小説(文字事)みたいなもの

2026年2月28日(土曜日)

オリジナル

 降り積もる雪の中で立ち尽くす君に傘を差し出して。

 ちょっとくどいかしら。


2026年2月25日(水曜日)

無音の楽団 Re:Praying(カクヤとサレトナとソレシカ)

 セイジュリオは授業で出される課題が多い。試験前であってもその傾向は変わらない。
 であるために、カクヤは図書室で必死になりながら神学の授業で出た課題に取り組んでいた。
 向かいの席にはソレシカがいる。すでに課題は終えた余裕の表情で「一年図書室作成」にて使うのか、それともただの趣味なのか判別しない本を読んでいた。
「あら。二人も来ていたの」
 涼やかな声に顔を上げると、サレトナがいた。こちらも課題に切羽詰まった様子はない。
 カクヤひとりが、課題に対して一生懸命になっている。その事実に少々、痛めつけられた。
「まあ、カクヤを一人にするのは忍びなくてな」
 ソレシカの優しさもまた突き刺さる。
 カクヤがしょんもりとしたのを察したのか、ソレシカがわしわしと頭を撫でてきた。
「やめい」
 ぴしりと振り払う。けたけたと笑う、楽しそうな表情がまたにくらしい。
「がんばってね」
「……うん」
 サレトナの素直な応援の言葉に頷くと、ソレシカも言った。
「がんばってね」
「ふざけてんだろ!」
 静かに、と見知らぬ学生から注意された。

 「無音の楽団」のこのトリオもやっぱり愛おしいです。


2026年2月20日(金曜日)

無音の楽団 Re:Praying(レクィエとクロル)

 クロルが本を買いに「鶴のかくりよ」に立ち寄ると、見覚えのあるあまり知らない人がいた。
 視線に気づいたのか、その人は顔を上げる。そうしてクロルの赤い瞳と目が合うと、にっこり微笑んだ。
「セイジュリオの学生さんだろ」
「あなたは」
「レクィエ・ノーネームだよ。カクヤにはしてやられたみたいじゃないか」
 どうやら、講評試合でセイジュリオに訪れたらしい。そうして、スィヴィアと無音の楽団との試合も見物したのだろう。面白くのない結果ではあったけれども、負けは負けだ。そして、無音の楽団は正々堂々と勝利した。
「次はこちらが勝ちますけどね」
 強がりではない本音を口にすると、レクィエは垂れ目がちな目を細めた。
 クロルはレクィエの横を通り過ぎていき、目的の本を探しに向かう。
 ただの勘だと言われたらそこまでになる。ただ、レクィエとはあまり関わり合いにならない方がよい、とクロルは判断した。
 決して、逃げたわけではない。

 レクィエさんのウォームアップシリーズです。
 クロルさんとは相性が悪そうですね。レクィエさんは気にしないでしょうけれども。


2026年2月11日(水曜日)

オリジナル

 ぱん、と音が鳴り響いた後にグラスの中のカプセルが溶けていった。

 人生の困難とは、ラーメンの海苔をいつ食べるかというタイミングを計るのに近い。

 求められても、望まれても、手に残った文だけは手放さなかった。

 『雨夜の月』にあった一文が、それだけで物語でしたので、一文で作品を作れないか挑戦した名残です。


2026年2月2日(月曜日)

無音の楽団 Re:Praying(レクィエとクレズニ)

 仕事を任せたら、見た目よりも要領よく手早く片付けられた。
 紹介した店の主人から上機嫌と共に多めにもらったリルを消費するため、レクィエはクレズニをカフェと居酒屋の中間に位置する店に連れ込んだ。居酒屋だったら嫌がられそうであり、カフェだったらレクィエの腹が夜遅くに空いてしまう。合理的な判断だと思っていたが、またも見た目よりクレズニは酒に強かった。
「一つ、お聞きしたいことがありますが」
「ん? なにごと」
 細い木の枝で肉や魚を貫く「焼き串」という料理を食べながら、質問を待つ。
 それにしても逐一、礼儀正しいところが相手をするのに面倒で、堅苦しい。もっとざっくばらんに接してくれた方がよいというのに。これで隙があるのだから、たまらない。
「昨日、沈黙の楽器亭にいた男性の方で、サレトナに気に入られた方はいるのでしょうか」
「知るか。本人に聞いてくれ」
「聞けるわけがないでしょう」
 全くもってどうでもよい悩みではあったが、当のクレズニは真剣だったので、レクィエも仕方なく頭の片隅を動かし始める。 
 昨日、サレトナに対してクレズニが身内ならではの暴言を働いた際に居合わせたのは、人族が三人だ。赤い髪をした長身の子どもと、上位存在に好かれていそうなちっこい子ども。あとは、以前にレクィエも顔を合わせたことのある、カクヤ・アラタメだ。
 候補としては、二番目など存在しないほどカクヤ・アラタメしかいないのだが、クレズニはまだ果実酒のグラスを持ちながら呻いている。
 どう見たってわかるだろうに。
 目の前の男は妹への複雑な感情を持て余しているなあ、と思いながら、レクィエはジョッキを煽った。

 そろそろ、レクィエさんのウォーミングアップです。


イラストみたいなもの

2026年2月26日(木曜日)

 いつもあなたの側に、まのらさん。


 センター分けの吊り目の方は男女問わずよいものなのです。


2026年2月14日(土曜日)

 今回、リプレ本編にて登場したあるキャラクターです。
 顔の良い背景キャラクタ―くらいの立ち位置。


2026年2月9日(月曜日)

可愛い格好をしたセキヤ先輩が描きたかったのです。
紫でまとまって、よかったよかったです。

感想みたいなもの

2026年2月18日(水曜日)

『永世乙女の戦い方』の最新刊である、第十四巻を読んでから第三巻に戻ると効きますね……。
天野先生の必死な稚さに対して胸が痛くなりながらも、恐ろしさを感じてしまいます。
もっと早く、この物語に出会いたかったような。いま出会うことができてよかったような。
いつも不思議な気持ちにさせられます。

その他


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    不完全書庫というサイトを運営しています。
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