何かしらの破片を積み上げていきます。
いつか一つの大きな“何か”になることを祈って。
小説(文字事)みたいなもの
2026年4月26日(日曜日)
銀鈴檻(ハシンとネイション)
流月の夜空に欠けのない月が昇った翌日、ネイションが言った。
「ハシンは得意そうよね。肉を切らせて骨を切る戦い方」
「なんだいいきなり」
唐突な話題であるため、予想していた反応ではあるけれども、ハシンが驚く様子を見られることはあまりない。だから、先ほど程度の反応であってもハシンの意表を突くことは珍しい。リブラスが知ったならば「見たかったなあ」と言い出すだろう。
「言うじゃない。本当に相手を倒すためには、自身の身を切らせてから相手を断つとか」
「まあ、五体無事で終わると確信できる前提ですることだけどね」
「やっぱりやったことはあるのね」
ハシンはにっこりと笑った。否も応もない。追求するのは止めにしておいた。
ただ、あまり無理をしないでいてくれるとよい。ハシンの見極めは厳しいからこそ、一瞬の間違いで全てを切り刻まれてしまいそうだ。
そうしないためにも、自分は何ができるのだろうとネイションは考えてしまった。
久しぶりに描きたくなりました、「銀鈴檻」です。
ハシンさんの生き方は自由であり過酷なのでしょう。
2026年4月20日(月曜日)
無音の楽団 Re:Praying(カクヤとソレシカ)
休日の食堂にて、ぼうっとしているカクヤがいた。
ソレシカはカクヤの正面の席に座り、カクヤの奢りということでフレンチトーストを注文した。その間もカクヤはソレシカに意識を払うことなどしなかった。
これはまだ軽症だ、と判断する。重症であったら、ソレシカの目の前でカクヤは机に顔を伏しているところだろう。後で怒られることは覚悟しながら、ソレシカは現時点ではカクヤの奢りである野苺のフレンチトーストを楽しみにすることにした。
「カークヤさん」
「うわっ」
呼びかけるとびっくりされたので、ソレシカが目の前に座ったことにも今の今まで気付いていなかったらしい。
「気持ち悪い呼び方をするなよ」
「そっちかい」
論点のずれた話題を強引に最初の興味へ戻していく。
「で、どうしたんだ。黄昏れてたぞ」
「いや……人って、本当に可愛いものを見ると、言葉がなくなるんだなって」
「はいはいのろけのろけ。もしくはタトエに関することか?」
後者はないと思いつつも、一応言っておくといやな顔をされた。目の前に靴下を差し出された表情だ。
「いやな、まあ、サレトナが。新しい服を買ったらしくて。それで、着ているところを見せてもらったんだけど」
「うん」
「とんでもなく似合っていたから『すごい緑だ』としか言えなくて」
「そりゃ、カクヤの語彙力がひき肉だったんだな」
見事なずたぼろ具合だ。ハンバーグの材料として、十分すぎるほど語彙が連れまわされたことが伝わってくる。
「サレトナは『そうね』って言ってくれたけど、明らかに無理しててさ。そのままどっか行っちゃって。なんで、もっと可愛いとか言えなかったんだろうって」
「そんな高レベルな褒め言葉をお前が正面から言えるわけなかろう。サレトナもわかってくれているといいなあ」
「嫌な希望観測だな」
しょんもりとしているカクヤにソレシカは肩を叩き、後ろを指で示す。気付かれたすぐ後に隠れてしまったけれど、橙色の髪を揺らす人間など、沈黙の楽器亭には一人しかいない。
「追いかけてやれよ」
などとソレシカが言う前にカクヤは席を立っていた。
ソレシカさんとカクヤさんの恋話は楽しいものです。
2026年4月14日(火曜日)
無音の楽団 Re:Praying(ロリカとクロル)
「こら」という声の響く瞬間はどうにも間が抜けているものだ。
ロリカは「戦闘実習」の授業の後片付けを終えて、修練場に戻る際にマルディとすれ違った。側を通り抜ける瞬間に「見逃して」とばかりに舌を出されたので、何も言わずに遠ざかる背中を見送ってしまう。直後に、肩をいからせたクロルがずんずんと前進して、誰もいないことを確かめると足を止めた。クロルの狙いであると思われるマルディはすでに自身の教室に戻っていることだろう。
「どうした、シェンサイト。何をそこまで怒っている」
「ノーゼンがまた、授業終わりにエルダー君たちばかり構って、反省会ができなかった」
「それはトライセルもか?」
クロルは大きく頷く。ロリカはしばし顎に手を当てて考えた。
「反省会、という言い方が悪いのではないか?」
「は?」
「いや。ノーゼンもトライセルも、反省など素直にしない性格だ。ならば、良かったところを褒める会にした方が、よほど士気が上がるというものではないか」
自分で言い出したことながら的を射ていると、ロリカが満足するのとは反対に、クロルからは苦い薬を強引に飲まされた顔を向けられる。ぶさいくだなあ、と感心してしまうほどだ。元の顔立ちが悪くないからこそ、ぶさいくが際立っている。
「まったく。誰も彼も自由だな」
「不自由でいるのは君だろう、シェンサイト」
今度のクロルの表情は眼鏡の匂いを嗅いで顔を唸らせる猫のようなものになった。
クロルさんはスィヴィアでお父さんの役割のようです。貫禄はないあたりが尚更、お父さん。
クロロリも面白いかしら、と思いました。
2026年4月1日(水曜日)
無音の楽団 Re:Praying(カクヤとサレトナとタトエ)
「だけど! 断る」
その言葉を聞いた時にただ事ではないと察した。誰に言っているのかはわからない。しかし、カクヤが「だけど」と前置きをしてから断るということがあるとは、タトエは予想だにしなかった。
恐る恐る一回の食堂に近づいていくと、カクヤとサレトナが向かい合っていた。これも想像の範疇を超えている。サレトナに対してでろっでろに甘いカクヤが、彼女の依頼を断るなどと。
「カクヤ。どうしてもだめなの?」
「ああ。駄目だ。それだけはできない」
「それだけはできない、ということなら。他のならいいのね」
すうっと息を吸い、サレトナは言い放つ。
「朝からラーメンは禁止! ちょっとぽってりしてきてるわよ!」
カクヤさんに対するサレトナちゃんの愛のあるお願いでした。毎回、カクヤさんが悪くなるパターンですね。
イラストみたいなもの
2026年4月17日(金曜日)


こちらの楽書きレベルでも掲載してもよろしければ、「成瀬の物置き」の更新回数も増やせるのですが。
要検討です。
閲覧してくださる皆様のご意見もいただけたら嬉しいです。アナログ楽書きを掲載するのは有りか無しか。
メッセージフォームにて、匿名でもご意見を受け付けますので、よろしくお願いいたします。
画像は清風さんです。心の唸り。
2026年4月15日(水曜日)


勢いのままに描きました、雰囲気イラストです。
カクサレちゃん! 本を読むサレトナちゃんを見ていることが楽しいカクヤさんという私ばかり得する絵になります。
2026年4月6日(月曜日)


お久しぶりのクレズニさん。
彼の髪の色はいつも難しいです。
感想みたいなもの
その他
2026年4月7日(火曜日)
最近はときめきを学ぶことを取り戻しています。
自分はこれまで、何に対してどうして、どのようにときめいていたのか。どうしたら他者にもそのときめきを伝えられるようになるのか。
一生修行ですね。





